移動運用のために小型ノートPCを用意しようとすると、近年の傾向として、D-Sub9ピンのシリアルポートやD-Sub25ピンのパラレルポートを持たないものが多くなってきています。今後もそのような流れがより強くなっていくことが考えられます。そうすると、従来のCWインタフェースはそのままでは使用できません。そこで、小型ノートPCにも装備されているUSBポートを利用したCWインタフェース「USBIF4CW」を開発しました。USBIF4CWとは、USB I nter f ace For CWから取った造語です。
もちろん、デスクトップPCにもUSBポートは2~4個あるものが多いようなので、そちらへUSBIF4CWを接続できます。そうすると、これまでのCWインタフェースが占有していたシリアル/パラレルポートは、他のデバイスで使用できるようになります。
USBIF4CWは移動運用に適した大きさ、使い勝手に注意して設計しています。また、ハムフェア2003からはVer.2.xとして内蔵キーヤなどの新機能を追加し、さらにアルミケース筐体に収めて見た目も大きく変わりました。今後も更なる改良を予定しています。開発履歴についてはこちらをご参照ください。
各部の名称とはたらき
USBIF4CWの各部の名称とその機能について説明します。USBIF4CWとPCあるいは無線機との接続方法についてはこちらをご参照ください。
(1) USB接続端子
USBIF4CWのUSB端子とPCのUSBポートをUSBケーブルで接続します。USB端子の形状は一般的なBタイプです。USBIF4CWの電源はPCからUSBケーブルで供給されます。また、USBIF4CW内部のマイコンは対応ソフトウェアからの信号を受け取って初めて動作を開始します。そのため、PCへ接続して電源供給しただけではキーヤ機能を含め全ての動作は開始しません。
(2) パドル入力端子
パドルを使用する場合は、Paddle-in端子へパドルを接続します。Paddle-in端子はステレオミニジャックです。接続できるパドルは短点と長点が別々に入力される複式電鍵です。縦振り電鍵やバグキーには対応していません。対応ソフトウェアを起動後にパドルを接続すると、接続中に短点または長点が不意に送出される場合がありますのでご注意ください。
(3) PTT出力端子
必要に応じてPTT制御ケーブルを取り付けます。PTT-out端子はRCAジャックです。リニアアンプやプリアンプをお使いの場合、または、デジタルモードでのPTT制御に利用します。MMTTYでUSBIF4CW専用の外部インタフェースドライバ(EXTFSK)を使用した際のPTT信号もこの端子から出力されます。
(4) Key出力端子
USBIF4CWのKey-out端子と無線機のCW-Key端子を接続します。Key-out端子はRCAジャックです。無線機のCW-Key端子の形状に合わせたケーブルを使用してください。無線機の端子形状は取扱説明書や端子仕様のページをご参照ください。Key-out端子からは縦振り電鍵の信号が出ます。無線機の内蔵キーヤはオフにして、縦振り電鍵の設定にしてください。
また、MMTTYでUSBIF4CW専用の外部インタフェースドライバ(EXTFSK)を使用した際のFSK信号もこの端子から出力されます。
(5) Fncボタン
その他のボタン、パドルと組み合わせて利用します。詳しくはこちらをご参照ください。
(6) Msgボタン
その他のボタン、パドルと組み合わせて利用します。詳しくはこちらをご参照ください。
(7) PTTボタン
その他のボタン、パドルと組み合わせて利用します。詳しくはこちらをご参照ください。
(8) Keyボタン
その他のボタン、パドルと組み合わせて利用します。詳しくはこちらをご参照ください。
(9) PTT動作確認LED
PTT制御されている時、PTTボタンが押されているときに点灯します。このLEDが点灯しているときは、PTT-outから制御信号が出ていることを表します。
(10) Key動作確認LED
Key制御されている時、Keyボタンが押されているときに点灯します。このLEDが点灯しているときは、Key-outから制御信号が出ていることを表します。
(11) サイドトーン調整ボリューム
内蔵ブザーの音量を調整します。調整するには精密ドライバをご利用ください。右へ回すとボリュームは大きく、左へ回すとボリューム小さくなります。左へ回しきると消音します。
主な特徴
接続が簡単。
- Windows OS標準ドライバを使用するためドライバのインストール作業は不要。
- PCのUSBポートから給電されるため、外付け電源不要。電池切れの心配はありません。
安心・コンパクト
- 移動運用でも場所を取らない、縦50x横65x高20(mm)の手の平サイズ。ただし、ボタンやゴム足などの突起部を除きます。
- フォトMOSリレーを使用して、PCとリグは完全にアイソレーション。
- 回り込み防止のため、アルミケースを使用。
CW送信ができる。
- PCからASCIIコード(文字情報)を受け取ってインタフェース内部で符号生成するため、符号が乱れにくい。
- 対応ソフトウェアから、CW逐次送信、CW一括送信(ラバースタンプ)、CW繰り返し送信(CQビーコン)ができます。
- CWマーク時にはサイドトーンを発生。また、LEDが連動して点灯。
- CW速度は5~50WPM(Words Per Minute)までを設定可能。
PTT出力ができる。
- 前後ディレイ付きのPTT制御機能を内蔵しています。リニアアンプ・プリアンプなどの外部機器を制御する際に便利です。
- PTTボタンがありますので、フットスイッチの代用としても利用できます。
- PTT-ON時にLEDが連動して点灯。
パドル入力ができる。
- Paddle-in端子へお手持ちのパドルを接続すると内蔵キーヤでCW符号を生成します。
- エレクトリックキーヤは、単独でPTT前後ディレイを実現します。スクイズ機能付きです。
- パドル操作をASCII文字に復号してPCで確認できる、パドルトレーナ機能(Ver.2.4以降)。パドル操作のトレーニングにもお役立てください。
対応環境・対応ソフトウェアが多様。
- Windows 10、8.1、8、7、Vista、XP、2000、Me、98SEで動作確認済み。
- CTESTWIN、HAMLOG、MMTTYなど多数。対応ソフトウェアについてはこちらをご参照ください。
- 非対応ソフト向けには専用の仮想COMポートドライバ(Windows 10、8.1、8、7、Vista、XP、2000、Me、98SE用)を用意。COMポートを制御するソフトウェアの多くでUSBIF4CWを利用できます。詳しくはこちらをご参照ください。
デジタルモード対応
- Key-out端子からFSKを出力できます。AF入出力の機能はありませんので別途配線が必要です。
できないこと
音声入出力
- USBIF4CWは小型に仕上げるため、上記の機能に限定しています。音声入出力の機能はありませんので、デジタルモードにUSBIF4CWをご利用いただく場合や、Digital Sound CWなどでCWを解読するためには、別途音声入力の配線が必要です。
無線機のコントロール
- シリアル通信の機能はありません。無線機の周波数を読み取ったり、ログソフトから交信モードを変更したりすることはできません。