USBIF4CW使用時における一部リグのPTT制御不良について。フォトカプラのドライブ電流不足から、スイッチング不良になることがありました。高効率のフォトカプラへ変更しました。
初期のUSBIF4CW(2002/02/20-2002/08/23)をご使用になった場合に、一部機種のリグでPTT制御が正常に行えない不具合が発見されました。これは、使用しているフォトカプラ TLP521-2 のドライブ電流不足によるスイッチング不良によるものです。
この問題を解決するためには、次の3つの方法があります。
- フォトカプラを変換効率の高い製品 (例: TLP627-2) へ変更する。
- PNPトランジスタ (例: 2SA1015) を用いて完全にドライブする。-> 回路例
- (1),(2)の方法を併用する。
- KEY/PTT制御回路をトランジスタによるスイッチングへ変更する。-> 回路例
最も簡単な解決方法は (1) です。DIP8PINソケット上にあるフォトカプラを載せかえるだけです。また、最も確実な解決方法は (4) ですが、フォトカプラを廃してトランジスタによるスイッチングとしますので、”PCと無線機との電気的な絶縁”という特徴がなくなります。回路例にある通りの回路で1kW出力時でも回り込みが無いことを確認していますが、パスコンを配置するなどの回り込み対策が必要になるかもしれません。(1) 以外の修正を行うと、スイッチング回路の電流増加と共に確認用LEDの電流も増加します。かなり明るく点灯するようになりますので直視しないようご注意ください。
該当する USBIF4CW をご使用の方で、希望される方に追加部品を無償頒布いたしますので、こちらからご連絡ください。その際に送付先をお知らせください。部品内容は、次のとおりです。
- フォトカプラ TLP627-2 x1
- トランジスタ 2SA1015 x2
また、ご自分で回路修正することが困難な場合は、ご使用中の USBIF4CW をお送りください。(3) の回路修正をした後、返送させていただきます。お送りいただく前にご連絡ください。ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんが、どうぞよろしくおねがいします。なお、2002/08/24以降にお買い上げいただいた USBIF4CW は、この問題について対応済みです。
以下、USBIF4CWによるPTT制御について、無線機と使用するPTTポート別の動作確認表です。上記(1)-(4)のいずれの対策でも正常動作するようになります。また、CWについてはいずれも動作します。
無線機 (チェックしたPTTポート) |
初期版IF*1 |
対策後*2 |
MARK-V FT-1000MP (MIC端子) |
OK |
OK |
MARK-V FT-1000MP (PTT端子) |
NG |
OK |
FT-1000MP (MIC端子) |
OK |
OK |
FT-1000MP (PTT端子) |
NG |
OK |
FT-100 (DATA端子) |
OK |
OK |
FT-920 (マイク端子, PTT端子) |
OK |
OK |
FT-655 (MIC端子) |
OK |
OK |
FT-736 (MIC端子, PTT端子) |
OK |
OK |
IC-756PRO2 (MIC端子) |
OK |
OK |
IC-756PRO (MIC端子) |
NG |
OK |
IC-706 (MIC端子) |
NG |
OK |
IC-910 (MIC端子) |
NG |
OK |
IC-820 (MIC端子) |
NG |
OK |
TS-950SDX (MIC端子) |
OK |
OK |
TS-850 (MIC端子) |
OK |
OK |
TS-690 (MIC端子) |
OK |
OK |
TS-940 (MIC端子) |
OK |
OK |
*1: 使用しているフォトカプラはTLP-521です(2002/02/20-2002/08/23頒布分)。
*2: 上記対策1から4のすべて。