zLog使用時のパドル設定

USBIF4CW Ver.2を一部バージョンのzLog for Windows(以下zLogと略します)の環境で使用した場合、パドル操作時の符号出力が異常になることがあります。これは、zLog内蔵のキーヤとUSBIF4CW Ver.2内蔵キーヤが同時に動作するためです。この問題に対応するため、USBIF4CW Ver.2.2では内蔵キーヤON/OFF機能を追加しました。また、zLogは2.2b以降でこの問題に対応しています。

環境別の対応状況

環境別の対応状況
USBIF4CWのバージョン
Ver.1 Ver.2.0, 2.1 Ver.2.2以降
* 特別な事情がなければ、zLog 2.2b以降をおすすめします。zLog 2.2b以降のバージョンでは、USBIF4CW使用時のパドル処理機能を無効にできるようになりました。
zLog 2.1cまで * 問題なし 設定必要なし
zLog 2.1dから
2.2aまで *
zLog 2.2b以降を使用 USBIF4CW内蔵キーヤを無効化
zLog 2.2b以降 zLogパドル処理を無効化 USBIF4CW内蔵キーヤを無効化
またはzLogパドル処理を無効化

USBIF4CW Ver.1

USBIF4CW Ver.1にはキーヤ機能が内蔵されていませんので、zLogのバージョンに関係なく、この問題は発生しません。

zLog 2.1cまで

USBIF4CWのパドル入力機能に対応していません。この設定は必要ありません。

USBIF4CW Ver.2.2は内蔵キーヤを有効にしてご使用ください。

zLog 2.1dからzLog 2.2aまで

USBIF4CWのパドル入力が常に有効となります。ご使用のUSBIF4CWのバージョンによって、設定方法が異なります。

USBIF4CW Ver.2.0, 2.1
zLog 2.1dからzLog 2.2aはUSBIF4CWのパドル入力に対応していますが、この処理を無効にすることが出来ません。特別な事情がなければ、zLog 2.2b以降で使用することをおすすめします。zLog 2.2b以降では、USBIF4CWのパドル入力を無効にすることができます。
USBIF4CW Ver.2.2以降
内蔵キーヤを無効に設定します。

zLog 2.2b以降

zLog 2.2b以降では、パドル処理の有効・無効を設定可能になりました。USBIF4CWのバージョンによって、設定方法が異なります。

USBIF4CW Ver.2.0, 2.1
zLogのパドル処理を無効に設定します。
USBIF4CW Ver.2.2以降
必要に応じて、USBIF4CWまたはzLogいずれかのパドル入力機能を有効にしてご使用ください。

zLogのパドル処理とUSBIF4CW内蔵キーヤの違い」もあわせてご覧ください。

zLogの設定

zLogでの基本的な設定方法については「zLog for WindowsでのUSBIF4CW制御」をご覧下さい。

以下の説明ではzLog Ver.2.1sにおける画面表示を用いていますが、他のバージョンでも同様に設定することができます。まずは、メニューの[Help] – [About…]で表示される画面に”USBIF4CW detected”と表示されていることを確認します。その後、以下の設定を行って下さい。

  1. CW/RTTYの項を設定する
  2. Hardwareの項を設定する

CW/RTTYの項を設定する

CW/RTTY

メニューから[Windows] – [Optins] – [CW/RTTY]と、選択していきます。[Paddle enabled]チェックボックスをチェックするとパドル処理が有効になり、チェックを外すとパドル処理は無効になります。

zLog連係時にはUSBIF4CW Ver.2 ボタン機能のうち、パドルを操作する機能は無効になります。CWスピード設定、パドルリバースはzLogの[Speed][Paddle reverse]から設定して下さい。

環境によっては、パドル操作時のCW出力で、符号の先頭部分が欠けたようになることがあります。この場合は、[Side tone]のチェックを外し、サイドトーンを無効にすると改善することがあります。

Hardwareの項を設定する

Hardware

次に[Hardware]のタブを選択します。[CW/PTT port]グループから[USB]を選択します。[CW/PTT control]グループの[Enable PTT control]をチェックするとCW送信時のPTT制御が有効になり、チェックを外すと無効になります。CW送信時の動作に問題がある場合、PTT制御を有効にすると改善することがあります。

内蔵キーヤ機能の設定

内蔵キーヤ機能の有効・無効を切り替える

USBIF4CW Ver.2.2以降では、内蔵キーヤ機能の有効・無効を切り替えることができます。USBIF4CW本体のKeyボタンを押しながらパドルの両押しをします。この操作を行うたびに、内蔵キーヤの有効・無効が切り替わります。初期状態では、内蔵キーヤが有効です。

ここまでの設定で、USBIF4CWとzLog連係時にパドル入力が乱れる不具合が解消されたと思います。まだ符号が乱れるという場合には、再度設定を見直して、注意事項を確認してみて下さい。

注意事項

現在分かっている問題点として、zLog Ver.2.1d以降(USBIF4CWパドル入力に対応)では、USBIF4CW Ver.1.0と、USBIF4CW Ver.2.2の内蔵キーヤOFF時において、両方のパドルを同時に押すと符号が出ない事があります。

内蔵キーヤの設定状態は、USBIF4CWにUSBケーブルから電源が供給され続ける限り保持されます。USBIF4CWオールリセット時、PC再起動時、USBケーブル再接続時等には、内蔵キーヤの設定が初期状態となります。必要に応じて設定を行って下さい。

zLogのパドル処理とUSBIF4CW内蔵キーヤの違い

使用しているzLogのバージョンが2.2b以降で、かつ、USBIF4CW Ver.2.2以降を使用する場合、パドル処理でzLogとUSBIF4CWのどちらかを有効にするか選択できます。ここで、それぞれのパドル処理の違いについてメリット・デメリットを説明します。

USBIF4CW内蔵キーヤを使用する場合

次のようなメリット・デメリットがあります。

  • ほとんどの環境でパドル処理が快適になります
  • zLogのCW送信時、USBIF4CWに接続したパドルで割り込みできません
  • zLogとUSBIF4CWのCW送信速度が連動しません
  • USBIF4CWに接続したパドルを操作してもサイドトーンが出ません

zLogによるCW送信中に即座に送信を中止する必要がある場合は、PCのキーボード上の[Esc]キーを使用してください。

zLogによるパドル処理を使用する場合

次のようなメリット・デメリットがあります。

  • zLogのCW送信時、USBIF4CWに接続したパドルで割り込みできます
  • zLogとUSBIF4CWのCW送信速度が連動します
  • USBIF4CWに接続したパドルの操作によりサイドトーンを発生可能です(zLogの設定が必要)
  • 環境によっては符号出力の乱れが発生しやすくなります
  • USBIF4CW Ver.2で追加された機能を利用できません